引きこもりからの大学受験
心のこと

失ったもの、残っているもの


不幸中の幸い

これは、ある老齢の大学教授が、過去に大震災に被災したときのことを振り返って語ったことです。

甚大な被害をもたらしたその震災で、彼の周りには、精神的に落ちていってしまったひととそうでないひとがいたそうです。

両者の違いについて、教授は、「病んでしまったひとは失ったものを数え、立ち直れたひとは残っているものを数えた」と語りました。

失ったものと、残っているもの。

人生は、すべてを奪われる、ということはありません。

もちろん、すべてを奪われた、という気分に支配されることはあります。でも、必ず雲間から優しい光が差し込むときが訪れます。

だから、もし自分が何かを失ったときは、失ったものを数えるのではなく、失ったものの思い出を愛でるようにしましょう。

愛でることのできる思い出は残っています。

寂しいときにちょっとだけカフェに付き合ってくれる友人もいます。

悲しい、苦しい、とひとり言をこぼすこともできますし、夜空を見上げればちょっぴり寂しげな月も浮かんでいます。

そんな風に「残っている」ものを数えるようにしましょう。

数えることが負担なときは、うつむいて何も考えないようにしましょう。

ベッドの上で目を閉じましょう。声をあげて泣きましょう。

しばらくすれば、きっと「ある」に気づくことができるときが来ます。そして、そこからまたゆっくりと不器用に歩き出せばいいのです。

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